松村 浩道先生(鎌倉元氣クリニック院長)インタビュー

ペインクリニックの専門医として、患者さんの症状や痛み の原因を多角的に診断し、各種の治療法を駆使して痛み の軽減・消失に取り組んできた松村浩道先生。現在は、点滴療法や東洋医学、様々な補完代替医療も組み合わせ、患者さんの不安を安心に変える診療を届ける松村先生にJWティーについてもお伺いしました。

父の背中を追いかけ 医師を志す

私が医師を志したきっかけは父です。同じく医師だった父の後ろ姿を見ているうちに、いつの間にか私も志すようになっていました。もし父が別の職業だったら、それを目指していたかもしれません(笑)。残念ながら、父は54歳という若さで亡くなってしまいましたが、いつまで経っても追い越せないような、自分にとって憧れであり、壁でもあり、そんな存在です。当時私は22歳、まだ医学部の学生でしたので、医師になった姿を見せることはできませんでした。
外科医だった父は、叔父と 一緒に病院を開設するときに内科に転向しました。私はと言うと、麻酔科の道に進みました。麻酔科医の業務は多岐にわたりますが、大きく「麻酔」「ペインクリニック」「救急・蘇生」に分かれます。麻酔業務としては主に手術中の全身管理を行いますが、ペインクリニック医は他の診療科では治療困難な痛みや原因不明な痛みを緩和させることを目的としています。私はペインクリニックの専門医として、症状や身体所見、心理面などから多角的に痛みの原因を診断し、各種の治療法を駆使して痛みを軽減・消失させQOL(Quality of life:生活の質)の向上に努めてきました。
実際、皆さんが病院を受診する一番の理由は「痛み」です。終末期医療でも、がん性疼痛とうつうと言って、がん患者さんが抱える痛みの緩和にも携わってきました。私はペインクリニックの聖地と呼ばれた東京都内の病院にも所属し、ゴールドスタンダード(診断や評価の精度が高いものとして広く容認された手法のこと)を学びました。しかしその一方で、ゴールドスタンダードから外れた方に対してどのようなアプローチができるのかという疑問も持ちました。神経などに異常をきたし、24時間激烈な痛みが続く難治性疼痛なんちせいとうつうというものがあります。例えば、親知らずを抜くと、ものすごい痛みが数日間続きますでしょう。その痛みが何ヶ月も、場合によっては何年も続くようなものです。ほとんどの場合、抑うつ傾向が出てきます。そうすると、メンタルの医療にも目を向けざるを得ません。それがきっかけで東洋医学や漢方、さらには温泉療法など、様々な補完代替医療にも取り組んできました。

「高濃度ビタミンC点滴」の第一人者の理念を引き継ぐ

現在は、ペインクリニックの他に点滴療法や東洋医学、さらには心身症の治療に用いられるバイオフィードバック法、運動療法、腸内環境の適正化などを取り入れたトータルケアを行っています。中でも、各々のレジリエンス(=ストレスを乗り越える力)を高めるアプローチを大切にしています。鎌倉元氣クリニックの名誉院長である柳澤厚生あつお先生は点滴療法研究会会長として、「高濃度ビタミンC点滴」をはじめとする点滴療法を日本に広く普及した第一人者です。その理念を私も引き継ぎ、点滴療法を主体としながらも、患者さんの体質や病気の特徴に合わせて治療する個別化医療・多面的医療の観点から様々な方法を駆使した治療を行っています。ビタミンCは興味深い性質を持ち、低濃度を点滴で用いる場合、体を酸化(サビ)させる活性酸素を除去する抗酸化剤として働きます。その一方で、高濃度を点滴で用いると逆に酸化剤として働き、過酸化水素(H2O2)という活性酸素を発生するようになります。高濃度ビタミンC点滴によって発生した過酸化水素は正常細胞・がん細胞関係なく、全身の細胞に隈なく行き渡ります。正常細胞には過酸化水素を分解する「カタラーゼ」という酵素が豊富なのでダメージを受けないのですが、がん細胞にはカタラーゼがほぼ無いので、過酸化水素により自然な細胞死である「アポトーシス」に誘導されます。これが、高濃度ビタミンC点滴ががんに対して有効だと言われる理論的な背景になっています。

※血圧・心拍数・筋肉の緊張などの生理機能を測定し、それを音や画像などの情報に変換して本人に知覚させることによって、心身のストレス状態を自分の意志で制御できるようにする技法。

予防医療の健康増進に 目を向けない日本の医学

当院で特に注力しているのが「予防医療」です。予防医療は大きく分けて1次予防、2次予防、3次予防の三段階あります。1次予防は健康増進を目的とし、皆さんが日頃飲んでいる健康茶のJWティーを生活習慣に取り入れるような一般的な予防のイメージ。2次予防は早期発見・早期治療。3次予防はリハビリテーションも含めた再発予防です。当然ながら最も重要なのは1次予防。それにも関わらず、日本の「保険診療」が不得意な部分がここです。つまり、ある方が「自分はどこも悪いところが無いのですが、健康であり続けたいので何かしてもらえますか?」と病院を訪れても門前払いされてしまいます。日本の保険診療は世界に冠たる素晴らしい医療制度なのですが、優れた医療が当たり前のように受けられるがゆえに、患者さんの意識が予防になかなか向かない。「病気になったら、病院へ行けば良いでしょ?」と思っている方がほとんどではないでしょうか。これからの時代は、予防医療にもっと目を向ける必要があると思います。例えば私が産業医として携わっている企業では福利厚生の一環で当院をご利用いただけるようになっています。「健康経営」という経営手法が近年注目されつつありますが、社員の健康を支える、予防の概念に立脚した大切なサポートだと思います。

ボディ・マインド・スピリット の三位一体で健康を考える

地下に併設されたトレーニングジム
地下に併設されたトレーニングジム。

皆さんに健康について考えていただく際に、そのひな形になるような概念があります。WHO(世界保健機関)が1948年に設立されるにあたって、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」と定義しています。そして、50年後の1998年の第101回WHO執行理事会において、「spiritual(霊的)とdynamic(動的)」を加えた新しい健康の定義が検討されました。最終的に採択は見送られてしまったのですが、私はこうした議論がWHOでなされたこと自体に意味があると思っています。言うなれば、ボディ・マインド・スピリットの三位一体で健康を考えましょうということ。実は、私は大東流合気柔術の免許皆伝師範でもあり、代々伝わるこの希有な「氣」を使う武術を継承しています。現代の西洋医学や西洋科学では、あまり氣という概念を認めていませんが、東洋医学において氣は根幹をなすほどの重要な概念ですよね。今後の医療では、人間は単なる物質的な存在ではなく、エネルギー、あるいは物質では説明ができない何かによって生かされている、そういった考え方が重要になると思っています。

JWティーのエネルギーを 感じられる方が愛飲者に?

JWティーを好きな方にスピリチュアルに興味を持つ方が多いというのも関係があるように思います。物質だけでは説明ができない、例えばエネルギーの高さのようなものを何となく感じる方が愛飲者になっているのではないでしょうか。2000年に『バイブレーショナル・メディスン―いのちを癒す〈エネルギー医学〉の全体像』という書籍が話題になりましたが、この書は現代人がこれから健康になっていくことを考えるうえで重要な示唆に富んでいます。そもそも我々が「可視光線」と呼ぶ、目に見えている光の領域も全体の中でごく一部です。ジェイソンさんが生前愛していた言葉が「大切なことは目に見えない」だと知って、思わず鳥肌が立ちました。
また、最近イオスでは「ナトラプロテイン」や「e-Home  イーホーム Bikeバイク」なども販売されているようですね。私たちの体の構成要素は、水を除けばほとんどタンパク質です。タンパク質が不足すると、体の維持に問題が出てくるというのは至極当たり前のことではないでしょうか。特に「超高齢社会」を迎えた日本では、加齢により身体的機能や認知機能が低下する状態「フレイル」が社会問題となっています。例えば筋肉量が落ちると、次第に日常生活の様々なことが一人で出来なくなってくるという状態に陥ります。高齢者の方にとって一定量のタンパク質を毎日摂ることは大切です。そして、ただ摂るのではなくやはり運動しなければダメです。その両方が必要。私たちの体の中で最も体積が大きい大腿四頭筋だいたいしとうきんを鍛えられるフィットネスバイクを活用することは有効だと思います。私の母にe-Home  イーホーム Bikeバイクを漕ぐことを勧めてもなかなか漕いでくれなかったのですが、孫がお願いすると漕いでくれます。意外とどのご家庭でも使える手段かもしれません(笑)。

当院にお越しになる患者さんは、多かれ少なかれなんらかの不安を抱いていらっしゃいます。私たちはその不安を安心に変えることを使命と考えています。時には1人で考え込んでしまって気持ちが落ち込み辛い思いをされることもあるかと思いますが、そんなときこそ当院をご活用いただきたいと思います。

松村 まつむら 浩道ひろみち 先生

1993年日本医科大学卒業。同大学付属病院麻酔科学教室、関東逓信病院(現NTT東日本関東病院)ペインクリニック科、医療法人誠之会氏家病院ペインクリニック科・精神科等を経て、2017年10月より鎌倉元氣クリニック院長。 点滴療法研究会副会長。日本医療・環境オゾン学会副会長、同臨床研究部会長。日本レジリエンス医学研究所(米国ストレス研究所日本支部)代表。ペインクリニック専門医、温泉療法医、認定産業医。大東流合気柔術免許皆伝・壱風館館長。

松村先生著書

たつのさん監修書籍
『対人関係のイライラは 医学的に9割解消できる』 935円(税込) マイナビ新書
鎌倉元氣クリニック

鎌倉元氣クリニック

  • 住所:神奈川県鎌倉市小町2-12-30 BMビル3F
  • TEL:0467-22-3000
  • 診療時間:9:30〜17:00(完全予約制)
  • 休診日:土・日・祝日 ※金曜は隔週で休診です。

松村先生

 

ジェイソン・ウィンターズ・ティー