浅田真央選手や羽生結弦選手など、国際大会で活躍するフィギュアスケート選手たちがメダル獲得後に手にする通称「メダリストブーケ」を制作する萬木さん。「植物で人を笑わせる」をテーマに、お花のトイレ、立体的なネクタイ、苔でおおわれた車など数々の作品を世に送り出しています。非日常に隠されているというビジネスのヒントや毎朝必ず飲んでいらっしゃるというJWティーについて、お話を伺いました。
大学卒業後、専門学校へ、スウェーデンでブーケ技術を学ぶ。
フラワーアーティストになったのは実家が花屋だからです。小さい頃は実家が花屋というのは女の子みたいで恥ずかしかった。親から「学校に花を持って行け」と言われると、隠して持って行ったりして(笑)。ただ、私は長男なのでいつかは継ぐのだろうなと覚悟はしていました。
そして大学卒業後、花の専門学校に入ってみると、自分がこの世界のことを何も知らなかったことに気付かされました。花屋と言えば近所の方がお祝いやお供えの花を買いに来るイメージしかなかったのが、花のワールドカップなども開催されていることを知り、これはおもしろいと思いました。
それからは猛勉強。一年間の専門学校を経て東京のどこかの花屋に就職しようと思っていたのですが、スウェーデンで花屋を展開しているオーナーの方から「ウチのデザイン部門に来ないか」というお誘いを受け、一念発起してスウェーデンに行くことにしました。そこで学んだのがブーケの技術です。
二〇〇一年からフィギュアスケート国際大会のメダリストブーケ制作を担当。
帰国後、専門学校時代の同期がスケート連盟に関わっていて「熊本にちょっと遊びに来ない?」と誘われたのがきっかけで、二〇〇一年より現在までバンクーバーやソチオリンピックの壮行会や世界選手権など、フィギュアスケート国際大会に使われるメダリストブーケの制作を担当させていただき、浅田真央選手や羽生結弦選手など多くのトップスケーターの方に受け取っていただいています。いつも遊びゴコロを入れたいと思っていて、扇の形のブーケを作った時など特に外国の選手の方はパタパタとあおいでみせてくれたりと良いリアクションをしてくださるのでうれしいですね。
二〇〇八年にリーマンショックが起き、それまで花屋のお得意先だったスーパーマーケットの倒産などが相次いだ頃、たまたま同級生がいたので初めて商工会議所を訪れてみると、「萬木君、活躍しているのは聞いているよ。フィギュアスケートがこんなに盛り上がっているし、取材したいメディアとかいるのではないかな?」と新聞社に紹介してくれました。
当初はメディアに出るなどは全然興味がなく、ローカルニュースの一部などの扱いかなと思っていたら、山陽新聞の社会面の一面に「岡山の金メダリスト」として取り上げられまして。それからはテレビ番組への出演が決まったり、市役所の方にご挨拶をしていただいたり、一日警察署長をやらせていただいたり、本当に人生が変わりましたね。
植物で人を笑わせる。目が見えなくなるカメラマンとの約束。
東日本大震災の後、自分も被災地にエールを送りたいと思い「ひまわり復興支援プロジェクト」を立ち上げました。ひまわりの種を詰めたピンポン玉に福島県の子どもたちに絵を描いてもらい、それをアメリカのネバダ州から気球で高度三万メートルの成層圏に飛ばしました。その道中で、同行していた友人のカメラマンから「自分は病気で目が見えなくなるかもしれない」と打ち明けられたのですが、彼は常に前向きで明るく子どもの笑顔の写真を撮り続けたいと語っていました。その姿勢に触発され、「それなら僕は植物で人を笑わせてやる!」と約束しました。
それがお花のトイレや立体的なネクタイなどユーモラスな作品へとつながっていきました。車体に乾燥コケを貼り付けたコケカーは、一ヶ月くらい掛けて完成させました。コケカーを走らせていると、道行く人がワイワイ言いながら笑顔になっている―そんな姿を見て自分自身も楽しんでいます。さらに、最近ではコケカーに喋らせています(笑)。日本語だけでなく英語も収録して、インカムをつければ直接会話ができるようにしたりと。花のランのイベントでは車をランで飾り、「もう17時半やで。早く終わランかな」と、ランに掛けてダジャレを言わせてみたら、これはウケましたね(笑)。
そんなことをやっていると、さらにメディアからの取材が殺到するようになり、結局ビジネスのヒントってこういうところにあるのかなと思いました。フラワーアーティストと呼ばれる人たちは国内に五百人くらいいるのですが、その人たちが目指しているベクトルと真逆のベクトルに行かないと注目されるのはなかなか難しい。例えば、花のブーケで一流として注目されるのは一握りの人間ですが、野菜のブーケをつくっただけでN H Kが取材に来たのです。人はアートに非日常を求めます。そういう発想が出るか出ないかが、アーティストにとっては重要なのだと思います。
JWティーを飲むことで健康を維持できると安心感を得られる。
健康に関して留意していることは、スポーツなど体を動かすことですね。私は今、四十三歳ですが、以前は徹夜しても何を食べても大丈夫と思っていたのに、最近はそういった生活習慣に不安を感じるようになりました。
そんな中でJWティーの存在はとてもありがたいと感じています。飲みやすいお茶ですね。クセがないというか、スッと体に入ってくる感じで、毎朝飲ませていただいています。「これを飲むと健康を維持できる」と思うことも重要じゃないですか。メンタルな部分で安心感を得られるというのも、このお茶の大きな特徴だと思います。
岡山県笠岡出身。大学卒業後、JFTD学園入学。フラワーデザインと生け花を学ぶ。1997年スウェーデンのフラワーショップ「ブロムスターハーレン、ブロードバリケット」にてデザイン部門を担当。フランス・イギリス・オランダ・ドイツ・デンマークなどでデザインを学ぶ。帰国後、活動拠点を出身地である岡山に置く。フラワーシップ全国大会中四国代表。岡山・神戸・福岡・名古屋・東京国際蘭展のディスプレー・フラワーアレンジメント部門にて数々の賞を受賞。2001年より現在まで、フィギュアスケート国際大会の歴代メダリストブーケ制作を担当(バンクーバー・ソチオリンピック壮行会、09年13年グランプリファイナル、07年~15年NHK杯、09年12年13年世界国別対抗戦、14年世界選手権、全日本選手権)。2014年『21世紀岡山の100人』に選出。