今野 華都子さん(株式会社アイテラス代表取締役社長 エステティシャン)インタビュー

45歳から美容業界に入り、数年後には世界一のエステティシャンの称号を獲得した今野華都子さん。また、当時38億円の負債を抱えていたリゾートホテルを立て直し経済界からも注目を集めました。2011年から始めた「古事記塾」は受講生が1000人以上にものぼります。今野さんに事業と古事記を通じて得られたもの、そしてJWティーについて伺いました。

45歳からの再出発で、世界一のエステティシャンへ。

専業主婦だった私は、子どもが大きくなるにつれて学費などのお金が必要になってきたのを機に、仕事に就こうと決意しました。バブル崩壊直後で職に就くのが困難な時代。しかも、当時45歳で、これといった特技もやりたいことも無かった私は途方に暮れました。そんなある日、その頃は珍しかった「まつ毛パーマ」をかけて美しくなった友達を見て、その美容技術に一瞬で心を奪われました。これを仕事にしようと決めたものの、資金は無く、広告も出せません。なんとかA4サイズのチラシを1枚作り、女性が集まりそうなデパートに行き、「まつ毛パーマに興味ありませんか?」と聞くわけです。不審者状態でした(笑)。そんな中でも流行に敏感な人がいて、「仙台でまつ毛パーマができるの?」と。やがて口コミでお客様が次々とつながっていきました。

ある時、顔が荒れていてパーマ液がしみてしまい、まつ毛パーマをかけられないお客様にパックをしながらパーマをかけることでしのいだことをきっかけにお肌の悩みにも応えたいと考え、日本エステティック協会の資格を取得しました。エステティシャンの仕事を始めてみたら、人がどんどんキレイになっていくことがうれしくて。さらにシミ、シワの原因も一人ひとり異なることに気づき、それぞれのお客様に合った美容法を提案していったことで、2004年にフランスのメーカーが主催し世界110ヶ国が参加した“LPGインターナショナルコンテスト”で日本最優秀賞を、その後フランスで最優秀グランプリという世界一の称号をいただくことができました。

再建を任された負債38億円のリゾートホテルを黒字化へ。

世界一の称号をいただいたことで講演も増えていったのですが、その内容に共感いただいた方から、なんとタラサ志摩ホテル&リゾート(当時)の再建を任されることになりました。日本で初めて本格的なタラソテラピー(海洋療法)を体験できる施設として誕生したタラサ志摩でしたが、よくよく聞いてみると負債額は38億円!その当時の私は経営のまったくの素人でしたし、伊勢志摩の地は仙台から遠かったのでお断りさせていただいておりましたが、運命的な出来事が重なって取締役社長を引き受けることとなりました。

社長としてタラサ志摩を訪れると、ホテル全体の雰囲気が暗く、スタッフの誰一人として私の相手をする気配すらありません。それは当然といえば当然のことです。私はホテルでの実績があるわけではないし、経営手腕を発揮したこともない。スタッフの皆さんにしてみたら、「新しい社長にもっとめちゃくちゃにされたらどうしよう」と、そんな思いを抱いていたのでしょう。そこで、私は「〇〇さん、おはようございます」と名前を呼んでスタッフに挨拶することから始めました。名前を呼ばれたら、人は必ず返事をしてしまうものです(笑)。そして「このホテルの問題点は何かしら?」と、総料理長からベッドメイクのパートさんまで全スタッフ154人に一人ひとりとじっくりお話をしました。すると口々に「ここが良くない、ここが悪い」と挙げるのですね。みんな気付いている。それこそがまさに課題であり、それをどうやって解決するのかを考えるのが仕事ですよね。また、その時にあわせて「みんな、このホテルを良くするのが私だと思っていない?このホテルを良くするのは現場に携わっているあなたたち一人ひとりなのですよ」とお伝えしました。私はフロント係よりフロントのことを知らないし、料理長の代わりもできない。しかし、会社に対して言わなければならない要望があれば私が言いますと。現場からはどしどしと提案、要望があがってまいりました。

そして、徹底したのは“当たり前”ということ。雨が降ったらお客様を迎えに行く、タオルをお出しする、朝食に使用されている野菜を地元の新鮮なものに変更するなど。サービスとは立派なことをすることではなく、当たり前のことを当たり前にすることが形になった時にお客様に喜んでいただくことができ、それが売上にもつながっていくのだと思います。ホテルの雰囲気は半年と掛からずに変わり始め、最終的には黒字経営を達成することができました。

京セラ創業者・稲盛和夫さんが主宰する「盛和塾」で海外講演を行う。

実は、タラサ志摩のオーナーが聞きに来ていた講演会にもう1人いらっしゃっていたのが、工学博士で作家の※五日市剛さん。その場で13ページものメモを取っていた五日市さんは、人間学を学ぶ月刊誌として有名な『致知』の誌面上で私との対談を望んでくださいました。その時の対談が40年続く致知の歴史始まって以来の大反響だったそうで、それがきっかけとなり京セラ創業者で日本航空(JAL)名誉顧問の稲盛和夫さんが主宰する「盛和塾」の講演を依頼されました。テーマは「人創り」。その講演内容を気に入っていただけたようで、その後はアメリカのニューヨーク、シカゴ、シリコンバレー、ブラジルのサンパウロなど、海外支部での講演も依頼されるようになりました。

人創りで重要なのは、「人を見て法を説け」という言葉があるように、相手の人柄や能力を見て、それにふさわしい助言をすべきということです。例えば、計算が早い人と本を読むのが早い人では本来優劣をつけられないはずなのに、計算が早い人は計算が遅い人をダメな人だと捉えてしまうなど、自分の基準でしか相手を測れないことがあります。大切なのは、違う能力があるからこそ素晴らしいと考えること、また、人は失敗から学んでいくものだと理解すること。失敗しようと思って失敗する人は誰もいません。一所懸命やろうと思って、たまたま結果が失敗だっただけということ。それは良いことなのです。それがあって初めてその人は失敗だったということに気付き、次は失敗しなくなる。その経験は早ければ早いほど良いのです。

真の調和とは、ただ仲良くすることではなく自分と他者の違いを尊重すること。

2011年からは皆で古事記の神髄を学ぼうと『古事記塾』というものを開催しています。当初、品川のみで始まった同塾は、現在では全国36箇所で開催するまでに広がりました。古事記を読み始めた発端は、タラサ志摩の社長として関係者を伊勢の神宮にご案内する際、その由緒についてきちんと説明できなかったこと。そんな折り、知り合いの方から阿部國治先生の『新釈古事記伝』をいただいた私は、7巻からなる同書を貪るように読みました。古事記が示す「やまとごころ」を阿部國治先生が深い解釈で紐解いてくださった言葉に触れ、私が求めていた普遍的価値がここに書かれていたと魂が打ち震えました。古事記に書かれ私たちが受け継いだ「やまとごころ」という判断基準さえ見失いつつある今、「自分は何のために生まれてきたの?」「どう生きたらいいのか分からない」「何をしたらいいのか分からない」そう訴える子どもたちに、大人は明確に答えられなくなり、その結果、人々は地位や名誉や損得を追いかけ、刹那的に生きているように見えます。古事記に書かれていることは、古来日本人が大切にしてきたことではありますけれども、世界の人々にも気付いていただきたい普遍的価値が詰まっていると感じ、伝える意味があると思いました。

例えば、阿部先生の第2集『盞結』では夫婦とはどうあるべきか書かれています。そこで語られているのは「怺」という想い。こらえると言っても我慢する意味ではなく、許し合うこと。夫婦が仲良く暮らすためには、自分だけが一方的に要求をすることではなく、相手の足りない部分も愛を持って受け止めること、そのようなことが神代の昔から語られていたのです。自分ひとりで過ごすよりも、夫婦ふたりで怺えるというのはとても難しいこと。だからこそ人間的な成長、喜びにつながっていくのだと私は思います。

そして真の調和とは、ただ仲良くすることではなく、自分と他者の違いを尊重すること。金子みすヾさんの詩に「みんなちがって、みんないい」という一節があります。みんな大自然の一部なのですから、違うことに価値があるのです。自分の価値観の尺度で測ろうとするから、様々な不都合が起きてしまいます。私も正しいけど、相手の方も正しい、その観点に立った上でお互いの調和ポイントを愛を持って見出すことで、人類の新たな段階が見えてくるのではないでしょうか。


▲「古事記塾」では古事記に書かれ私たちが受け継いだ「やまとごころ」を伝えている。

JWティーは体内の健やかなめぐりをサポートしてくれるお茶だと実感

エステのお客様からJWティーとのご縁をいただきました。ジェイソンさんの物語を読んで開発の経緯を知り、神様に望まれて作られたお茶なのだと思いました。体内の健やかなめぐりをサポートしてくれるお茶だと実感しています。私のサロンでも、毎日2ℓポットにティーバッグ2袋を入れてJWティーを作り、スタッフみんなで飲んでいます。美は健康から作られます。これからもこのお茶との出会いを大切にしていきたいですね。

今野さんの著書紹介

株式会社アイテラス代表取締役社長、エステティシャン 今野 華都子さん
株式会社アイテラス代表取締役社長、エステティシャン
今野 華都子さん

宮城県生まれ。株式会社アイテラス代表取締役社長。エステティシャン。専業主婦から一念発起してエステの世界に飛び込み、第1回LPGインターナショナルコンテストL6(フェイシャル部門)において日本最優秀賞を受賞。2004年、世界110ヶ国の頂点に立つ最優秀グランプリを受賞、世界一のエステティシャンの称号を得る。その後、タラサ志摩ホテル&リゾート取締役社長、カルナフィットネス&スパ代表取締役社長などを経て、現職。全国の経営者を対象にした講演会を通じ、技術も経営もすべては「人創り」からとの理念を伝え続けている。また社長業の傍らライフワークとして日本、アメリカで「洗顔洗心塾」を開催。2011年から始めた「古事記を学ぶ華都子塾」は全国36ヶ所に広がり、受講生は1,000人以上にものぼる。

ジェイソン・ウィンターズ・ティー