田中 昌之さん(元クリスタルキング・ボーカル)インタビュー

元クリスタルキング・ボーカル 田中 昌之さん

『大都会』が150万枚を超える大ヒットを記録した元クリスタルキングのボーカル・田中昌之さん。唯一無二のハイトーンボイスを武器に、聴く人々にインパクトを与えました。38歳の時には不慮の事故でハイトーンボイスを失い、「生き地獄の中、歌い続けた」と振り返ります。そこを乗り越える際に得た考え方や、2011年に急性心筋梗塞を起こしたことで大きく変化した健康意識とJWティーへの想いについて伺いました。

生バンドを見た瞬間、雷に打たれたような衝撃

母にはもともと僕の人生計画に対して想いがありました。昔から運動神経が飛び抜けていたので、日本体育大学に進んで、体育の先生になってほしいと思っていたんです。
しかし、高校1年生の時に先輩とトラブルを起こし、校長先生から「もう来なくていいよ」と。
母1人、子1人でしたから、「食べさせなあかん」と、15歳で人生の岐路に立たされました。

人生計画が脆くも崩れ、どうしようか考えた中で、当時丸坊主だった僕はロングヘアーでいられる仕事に憧れていました。だから、いまだに長いでしょ(笑)。
最初は美容師を目指したんですが、舌の根も乾かぬうちに変わりました。通っていた高校に「ダンスホール禁止」などの校則があり、無遅刻無欠席とまじめだった僕は、当然ダンスホールには行ったことがありません。ただ、世間を知るために1 度は行ってみようと。
当時はGS(グループ・サウンズ)ブームだったので、バンドが生演奏をしていて、それを見た瞬間に雷に打たれたような衝撃がありました。その勢いのまま、演奏終了後に突然、バンドメンバーに入れてくれとお願いしました。
しかも、歌わせてくださいと。歌ったこともないのに、なぜか「オレのほうがうまい」という自信がありました。偶然にも、ボーカルの代わりを探しているタイミングだったため、課題曲を与えられて歌ったら、リーダーから「ちっとも歌はうまくないけど、心臓に毛が生えているような性格がいい」と無鉄砲さをほめられました。
それから、一緒に練習をしているうちに、メンバーも「こいつは何なんだ?」と思い始めたようです。先輩がギター片手に「この音の声が出るか?」とキーを上げて行っても、高音がどんどん出る。「お前すげーな!」「日本でこんな歌を歌えるやつおらんぞ!」と言われて初めて、自分の中にある可能性に気付いたんです。

唯一無二のハイトーンボイスを不慮の事故で奪われる

歌い続けてもう46年。歌わされている感、歌うことを止めたらあかん空気をずっと感じています。
僕は38歳の時に、バンド仲間と草野球の試合中に打球が喉を直撃し、声を一時的に失いました。
その後、声自体は回復したものの、かつてのハイトーンボイスが失われてしまったんです。そんな状態にも関わらず、歌い続けなければならない環境におかれる。
「神様、あんたはほんまに悪魔や。才能を与えるなら、最後まで面倒みんかい」と心の中でケンカしたこともあります。死のうと何度も思いましたが、神様が死ぬことも許してくれない。死ぬきっかけをことごとく奪われるんです。
それに、積み上げてきたロックンローラーとしての生き様を考えると、自ら命を絶つことは人に迷惑を掛けてしまう。ロックンローラーとは人に力を与えるものです。だから、死ぬことは絶対にできないと思いつつも、自分の存在価値が見いだせない生き地獄の中で食いつなぐために歌っていました。その時期だけはカッコ悪いですが、5年くらい酒浸り。

乗り越えられたのはある女性の一言がきっかけです。博多でグデングデンに酔っていたら、通りがかりの女性が僕に気付き、声を掛けてきました。「なんじゃ、こりゃー」と言い返すと、「あんた恥ずかしくないの?」その生き方みっともない!」とぼろかすに言われたんです。
しかし、その時に「よくぞ言ってくれた」と思い、瞬間的にこれで立ち直れると感じました。ずっと誰かに叱ってほしかったんでしょうね。もしかしたら、女性の姿を借りた神様がメッセージを届けてくれたのかもしれません。逃げ出さず自分の課題と向き合おうと頑張っていれば、様々なところに解決のヒントは転がっているんだと思いました。
だから、その女性には「ありがとう」と素直にお礼を伝えました。それから1滴もお酒は飲んでいません。今は、ハイトーンボイスを失っても、代償として得たハスキーボイスを活かす歌のトレーニングを毎日ずっと続け、ライブ活動にも励んでいます。

心筋梗塞で人生2度目の危機、健康への意識が大きく変わる

東日本大震災の10日後に死を意識するような急性心筋梗塞を経験しました。夜、家でテレビを見ていたら、いきなり心臓を万力で締め付けられるような痛みが走りました。とにかく喉の辺りが焼けるように熱い。その瞬間に「あ、これは死ぬんだな」と思いました。マネジャーが救急車を呼ぶというので、「ちょっと待って!」と風呂場まで這っていきました。僕の母が常々、「男子たるもの、死ぬ時は身を清めよ」と言っていたのを思い出したんです。それが良くなかったんですね(笑)。シャワー浴びて、服を着て、救急車に搬送された瞬間に心肺停止。I C U で心臓に電気ショックを3回与えてダメだった際に、医師が「これが最後です」と言って行った4回目で息を吹き返しました。
その経験以降、僕の健康に対する意識がガラリと変わりました。健康を損ねたら、一番愛している人に迷惑を掛けてしまう。僕の時にも、夜中なのにみんなが集まってくれたんです。
僕が倒れた大きな原因はおそらく1日2箱以上吸っていたタバコ。タバコは、血管を収縮させるので、血栓ができやすくなります。あとはストレス。あの時は東日本大震災があり、自分が何もできないという圧倒的な無力感に襲われていました。
しかも、ミュージシャン仲間が「こんな時こそ歌です!」みんなで行って勇気づけましょう!」と言ってきて、「こんな時に音楽なんかいらん!大切なのは物資や」という想いからフラストレーションが溜まっていました。僕も1回、災害で家を流された経験があるので分かるんです。心筋梗塞になる前は、いつ死んでもいいと思っていました。生に対しての執着がなかったんです。しかし、ギリギリの際で助かった、生還したと思うと、今までの人生やり残したことだらけだと知りました。このまま死ぬわけにはいかない。まだ歌を極めていない。見苦しいくらいに生に執着している自分がそこにいたんです。

そんな中、JWティーを知る機会がありました。普通のお茶だろと思いながら、パッと飲んでみると、人の話がクリアに聞こえてくる。相手の心の中が手に取るように分かるような気がしました(笑)。人の本音と建前が丸分かり。「これはやばすぎる」と笑ってしまっていました。
体がすぐに反応したので、その場で登録しました。茶葉を料理に入れても、本当に美味しいですよね。疲れが溜まっていてゆっくり休みたい時は、お風呂にティーバッグを何袋も入れると、ものすごくお湯がやわらかくなって体がフワッとほぐれるんです。
JWティーのもう1つすごいところは、歌手にとって命にも等しい喉に対する影響です。一般的にウーロン茶は喉の脂を全部持っていってしまい、喉がクリーンになり過ぎるため、乾燥して声がうまく出ません。しかし、JWティーは不思議ですね。ウーロン茶ベースなのに、喉に引っ掛かるイガイガだけを取り除いてくれます。ステージ中は手離せませんし、特に喉を酷使する『大都会』『愛をとりもどせ』を歌う前に飲むことが多いです。ロックンローラーとして、そして1人の人間として、JWティーはこれからの人生を生き抜くために欠かせないお茶ですね。

元クリスタルキング・ボーカル 田中 昌之さん
元クリスタルキング・ボーカル
田中 昌之さん

1951年、佐賀県伊万里市出身。自身の音楽の原点である佐世保でクリスタルキングが結成される。
1979年ヤマハのポピュラーコンテストに出場。同年11月クリスタルキングは『大都会』でグランプリ、優秀歌唱賞をダブル受賞する。デビュー曲の『大都会』は、150万枚を超す大ヒット。『ハウスとんがりコーン』CMソング、フジテレビ「北斗の拳」主題歌『愛をとり戻せ!!』、映画「瀬戸内少年野球団」主題歌『瀬戸内行進曲』・・・と数多くの作品を残す。
ソロ活動後、1998年ポッカコーヒー「クリスタルブラック」CFが大量にオンエアされ、この年のCM好感度1位に輝く。
その後も「ウルトラマンガイア」「仮面ライダークウガ」の主題歌など精力的に歌い続ける。

Tanaka Masayuki official site
http://www.tanakamasayuki.net/

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