馬 英華さん(弁護士 東京エレベーター株式会社 代表取締役)インタビュー

弁護士 東京エレベーター株式会社 代表取締役 馬 英華さん

建築物の高層化に伴い、設置台数が大幅に拡大しているエレベーター。メーカーに属さない独立系の会社にも関わらず、低コストでエレベーターの改修工事や保守点検を実現する会社として注目を集める東京エレベーターの代表を務めるのが馬 英華(ま えいか)さん。エレベーター業界の現状やJWティーについてお伺いしました。

日本のエレベーターの多くが設置後三十年ほど経ち、老朽化している。

現在、エレベーターの普及台数は全国で八十万台ほどになります。近年の建築物の高層化に伴い、都市住民のスムーズな空間移動を実現するインフラとして、エレベーターの設置台数は大幅に拡大しております。普段、「エレベーターは安全に動いて当たり前」と思ってしまいがちですが、それは各種メンテナンス作業に適切なコスト( 費用・時間・労力)が掛けられている結果だということを忘れてはなりません。通常エレベーターの寿命は二十五〜三十年とされています。一九八〇年代に急増した日本全国のビルは築三十年ほど経っており、実は多くのエレベーターが老朽化しています。

規制の分厚い壁、エレベーター業界のタブーを打ち破る。

オフィスやマンションの所有者は、建築基準法に基づき定期的なエレベーターの保守管理が義務付けられています。こうしたお客様と東京エレベーターは契約し、改修工事や保守点検を行っています。ところが、ほとんどの所有者は、そのエレベーターをつくったメーカー系列の保守管理会社とずっと契約し続けなければならないと思っているようです。私が起業したのは一九九七年。それ以前に規制緩和があり、どの会社でも参入して保守サービスを提供できるようになっていますが、今でも多くの人はそのことを知りません。
私の会社は「独立系」と呼ばれ、特定のメーカーの子会社ではなく、あらゆるメーカーの部品を揃え、どのビルがどのメーカー製エレベーターを設置していても故障や保守に対応できるようにしています。しかも価格はメーカー系列会社に比べて三割以上安くできる。しかし、今も部品を売り渋るメーカー担当者はいます。数年前にも、顧客のエレベーター故障で、あるメーカーに部品調達を依頼したところ「すぐの納入は難しい。九十日間は掛かる」と言われました。緩和されているとはいえ、分厚い規制の残る業界に飛び込んで、壁にぶち当たってしまったのです。そこで、「あなたの会社の製品ですよ。もしあなたが保守を担当していて、お客さんが困っていても三ヶ月、修理しないのですか」と返しても文書が整わないと言うのです。結局、粘り強い交渉が実を結び、翌日、納品されたのですが(笑)。

東京エレベーターは、メーカー独占状態の壁を打ち破ることで業界初となるエレベーター点検・保守管理費をコストダウンすることに成功したのです。メーカーに属さない独立系のエレベーター保守・管理会社としての取り組みが独創的と評価され、日本経済新聞にも取り上げていただきました。

ソフトバンク・孫社長や伊藤忠・丹羽前会長と並んで、日経新聞電子版に原稿を執筆。

その時のご縁で、二〇一五年からソフトバンク・孫正義社長や伊藤忠商事・丹羽宇一郎前会長と並んで、『日経新聞電子版ビジネスリーダー記事』の連載を担当しております。女性のビジネスリーダーとしては全国で一人です。

お話をいただいた時は恐れ多いと思ってお断りをしていました。しかし、エレベーター業界に風穴を開けたという評価や、中国で弁護士をしていることも目に留まり、編集長自ら来社されて「日本と中国は歴史的にはいろいろあるけれども、せめて民間レベルで日本と中国が今後協力していく流れをつくっていきたい」との想いを語っていただき、私を育ててくれた日本への恩返しの意味も込めてお引き受けすることにしました。そう言えば、早稲田大学大学院に奨学金で通わせてもらっていた時の論文でも「日中の架け橋になることが私の夢です」と書いていたなと思い出しました。

『逃げ切る力〜逆境を生かす考え方』日本経済新聞社 1,728円(税込) 記事が一冊になりました

現在二週間に一回のペースで記事をあげていますが、おかげさまでご好評をいただき、それらの記事を一冊の書籍にまとめて今年十二月に出版する運びとなりました。タイトルは『逃げ切る力〜逆境を生かす考え方』。私が常に思っているのは考え方の大切さ。人が難しい局面に置かれた時にどうするか?誰だってその問題から逃げたいですよね。しかし、名だたる経営者の人たちは、逆境を生かすことによって、自身を高めるきっかけにしてきました。そこに至る思考法について書かせていただいております。 

JWティーを一緒に飲むだけで、絆が深まる気がする。

私は今、新しい価値観、アジアを中心とする文化経済圏、女性の力の発揮を指針に掲げた団体「新生アジア」の代表理事も務めています。これからアジアは一つ。アジアが一つになれば、もっと力を発揮できる時代が来ると思います。一つのアジアとして、国や人種の垣根をなくし、さらには男女の垣根をなくせば、お互いにもっと深い交流を図ることができ、協力し合えるはずです。そして、自分の能力を活かす、開拓する。特に女性の力を活かすことが大切です。日本には素晴らしい能力を持っている女性が多いのですが、その能力を持っていることに気付かれていない方もたくさんいらっしゃいます。まず気づいていただくことによって、それが自信になり、もっと輝けるはずと語らせていただいております。

お話をいただいた時は恐れ多いと思ってお断りをしていました。しかし、エレベーター業界に風穴を開けたという評価や、中国で弁護士をしていることも目に留まり、編集長自ら来社されて「日本と中国は歴史的にはいろいろあるけれども、せめて民間レベルで日本と中国が今後協力していく流れをつくっていきたい」との想いを語っていただき、私を育ててくれた日本への恩返しの意味も込めてお引き受けすることにしました。そう言えば、早稲田大学大学院に奨学金で通わせてもらっていた時の論文でも「日中の架け橋になることが私の夢です」と書いていたなと思い出しました。

打ち合わせ中も、写真のみんなとJWティーを飲むことで心の距離が近くなります

JWティーは新生アジアの講演を聞きに来てくださった方からご紹介いただきました。毎日三袋くらいは飲んでいるでしょうか。JWティーを飲んでみて、充実感を得られるお茶だと思いました。それは累計会員数二十一万人の皆さんと同じものを飲んでいるという充実感です。私はひとつのものを継続するのは割と苦手で、次から次へと新しいものにチャレンジしたくなるのですが、JWティーだけは続いています(笑)。多くの方々と一緒にJWティーを飲んでいると思うと何だかうれしい、絆のようなものを感じるからでしょうか。JWティーを飲んでいるというだけで、一気に人との距離が近くなる気がします。ぜひ、これからもみんなで飲み続けたいお茶ですね。

レインボータウンFM79.2MHz(http://792fm.com/)で放送されている「馬英華の『新生アジア』
(第2/第4火曜11:30AM~11:42AM オンエア)」に今年10月、EOS石川社長が出演。YouTubeでも公開中。

弁護士 東京エレベーター株式会社 代表取締役 馬 英華さん
弁護士
東京エレベーター株式会社 代表取締役
馬 英華さん

中国大連生まれ。1988年大連外国語学院4年生の時、私費留学生として来日。
1999年早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程終了。上海市律和理弁護士事務所所属の弁護士として活動。
また、エレベーターのメンテナンス会社「東京エレベーター株式会社」の社長として日本でのビジネスを展開。「新生アジア」代表理事。

ビジネスリーダー馬英華さんの経営者ブログ『日本経済新聞電子版ビジネスリーダー』に連載中記事をお読みになりたい方はコチラから→【日経電子版 馬英華】

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