三浦 眞澄 さん(アポロ・サンズHD 代表取締役会長)インタビュー

アポロ・サンズHD 代表取締役会長 三浦 眞澄 さん

現在、10以上の高齢者施設と500人以上のスタッフを抱えるアポロ・サンズHD代表取締役会長の三浦さん。認知症に特化した施設を立ち上げ、その経験から認知症についての講師としても多方面で活躍されています。三浦さんに、認知症の方への向き合い方やJWティーについてお伺いしました。

入居した方に楽しく最期を迎えてほしい

亡くなる際(きわ)まで、私の母がヘルパーステーションで介護の仕事をしていたこともあり、以前から私も介護の仕事に興味がありました。主婦として家事と育児に専念していた時も、ボランティアで「命の電話」のインストラクターをしたり、在宅でホームヘルパーとして働いたりしていました。40歳を過ぎ、家庭が落ち着いてきたことで再び大学に戻り、老齢学を勉強することにしたんです。

そして、実習である高齢者施設に行ってみると、そこに入居されている方々がお食事をするためにずらっと並び、言い方は良くありませんが、まるで「ブロイラー」のように、決まった時間に決まった食事を食べる姿を見ました。食事の楽しみというものがまったく感じられない。その光景を見た時に、人が最期を迎えるにあたって、自分だったら楽しい人生を送ったと思ってもらえるようにしたいと感じたんです。

認知症に特化した高齢者施設をつくる

1998年に、第1号の介護付有料老人ホーム「SILVERS SUPPORT“コスモス”」を開設しました。現在では、10以上の施設と、500人近いスタッフを抱えています。認知症に特化した高齢者施設として、これまで700人以上の方の人生の最期をお見送り(看取り)してきました。
今では、看取りがどこのホームでも出来るようになっていますが、私が事業を始めた当初はホームで亡くなられると「不審死」として処置されていたんです。例えば、夜中にゲスト様(入居された方々の呼び方)が亡くなられたりすると救急車を呼ばなければなりません。そして、死亡が確認されると、今度は警察が来て、不審死ということで「司法解剖」にまわされます。ほんの17年前はそれが当り前でした。

そのため、病気の方はなるべく入院していただくことをお勧めしていましたが、病院での治療を望まない方もいらっしゃるわけです。サプリメントだったり、民間療法だったり、JWティーもその1つですね。それらで人生をまっとうしたいという方のためのホームとしても存在しなければと思い、お医者さんに往診に来ていただく回数を増やして医療との密接な関係をつくることで、看取りが段々と私たちのホームでも認めていただけるようになりました。最近では、自分の亡くなり方を選べるようになりつつありますが、私たちのホームでも引き続き、自分の最期を自分で選べるようなサポートに注力していきたいと考えております。

受け入れることで信頼を築く

認知症とは、脳の病です。血圧が高くなったり、腎機能が低下したり、あるいはガンにかかったりするのと同じ。現在では認知症の研究も進んできていますが、たった15、6年前は「ボケ」「痴ほう症」と呼ばれ、病気として捉えられていなかった。訓練すれば治るとか、日常生活をさぼっていたからだとか、マイナスのイメージがつきまとい、患者さんは「外へ出るな」と家の中で隠されてしまったり、精神病院に入れられたりしてしまっていたんです。

認知症の症状として一番分かりやすいのが記憶障害で、それに伴って行動障害が起こります。記憶障害は、「時間・場所・人物」の順番で症状が現れてきます。まず時間に関しては、初期は平成○年○月○日は分かるが、何曜日というのが分からなくなります。やがて日にちも不確かになっていきます。それが進むと、今度は場所が不明確になってきます。場所としては、空間が分からずに、2階を1階と勘違いして、窓を開けて外に出ようとしたりします。重度になると、人物が分からなくなります。ご近所の方、訪ねてくる仕事先の関係者、そして最終的にはご家族も…。
このような症状が出てくると、ご家族の方もつらいのですが、きちんとした対処法を学んだり、周囲の方の力を借りたりすることで、「認知症になったことが不幸ではない」と思える人生は必ずあります。そして、もともと学者や大手企業の役員だった方など、輝かしい経歴をお持ちだった方がすべてを忘れてしまうというのは、ご家族もつらく思うかもしれませんが、最も大切なのはその方の“ありのままの姿を受容する”ことです。初めは抵抗があります。朝ごはんを食べているそばから、「朝ごはんを食べてない」とか言われたりしますので。そうすると、「じゃあ、いま食べているのは何? 」と言いたくなってしまいますが、一度「そうだね」と受け入れてすべてを片づけてしまい、そこにクッキーを出してあげたります。そして、「お茶でも飲もうか」と、いったん朝ごはんのことは忘れていただき、「お茶を飲んだら次は何しようか」と促したりします。まず、朝ごはんを食べていないという主張は認めてあげる。そうでないと、本人も混乱してしまいますから。

昔は相手の方を受け入れる、寄り添うという介護から入っていませんでしたので、訓練して元に戻そうとか、忘れているんだから思い出させようとしてしまい、余計に症状が悪化してしまったりしていました。相手の心に寄り添うところからはじめると、信頼関係が構築できます。信頼関係が持てると、「この人が言っていることは本当だろう」と思ってもらうことができ、様々なことがスムーズに進みやすくなります。

JWティーを中心にしたお喋りが認知症の予防に

ただ、認知症の方への様々な対処法はあったとしても、大切なのは予防と早期発見。早期発見できれば、完璧に元に戻すことはできなくても、お薬などで現状維持することはできます。認知症は記憶障害だけではありません。行動の障害など、いろいろな症状が何種類か重なってはじめて認知症と判断されます。一度、認知症を発症してしまうと、元に戻すのは難しい。いまだに、“不治の病”と言ってもいいのかもしれません。
私の20年近い経験から、認知症の予防には人との交流が欠かせません。よく女性は、お茶を飲みながらたくさんお喋りをするじゃないですか。あれはすごくいいんです。私たちのホームでもお茶の時間をすごく重要視しています。1日2回、11時と15時に入居者みんなで集まって、お話をしていただいています。「今日のお茶美味しいわね」とか、「今度温泉行こうか」とか、「お嫁さんの悪口」とか(笑)、話題は何でもいいんです。

最近では、定期的に「ティーパーティーの日」というのを開催し、そこにJWティーを取り入れ始めています。JWティーは、私が大好きな画家の有賀正季さんの絵を取り扱われている店舗のオーナーさんから教えていただきました。私はいつも有賀さん作のカップでJWティーを飲んでいるんですよ。JWティーは捨てるところがないのがいいですね。お茶を入れたあとの茶葉を乾燥させて、料理に使うこともできますし。そして、やはり一番は安全性でしょうか。私たちのホームではこだわりの食事に力を入れていますので、認知症の方々に安全で安心なものを口にしてほしいと考えると、JWティーは信頼できると思いました。あとは、何となく飲んでいるだけで、ハッピーな気持ちになれるのがこのお茶の素晴らしいところですね。

アポロ・サンズHD 本社 夢叶う杜(ゆめかなうもり)

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三浦さんの著書紹介

アポロ・サンズHD 代表取締役会長 三浦 眞澄 さん
アポロ・サンズHD 代表取締役会長
三浦 眞澄さん

1952年東京都葛飾区生まれ。1975年東京家政大学児童科卒業。その後、葛飾区医師会付属看護学校卒、准看護師資格取得を経て、東京家政大学樋口恵子教授のもとで老齢学履修。1995年に株式会社サンハートを設立し、代表取締役に就任。1998年には、第1号の介護付有料老人ホーム「SILVER SUPPORT“コスモス”」を開設。
現在は、10以上の高齢者施設と500人以上のスタッフを抱える株式会社アポロ・サンズHDの代表取締役会長。医療・福祉に関わってきた経験により、認知症についての講師としても多方面でセミナーを開催している。

ジェイソン・ウィンターズ・ティー