5才から劇団の世界に飛び込み、数々のドラマや舞台に出演。2002年に入団した劇団四季では、『赤毛のアン』のアン役を務めるなど、トップ女優として活躍してきた吉沢梨絵さん。現在は、世界初演として公演されている『レディ・ベス』でも重要な役を演じています。吉沢さんに大きな舞台を乗り切るうえで大切にしていることや、健康法について伺いました。
いきなりのメジャーデビュー 見失ってしまった目標
オーディションを経て、幼い頃に入った劇団ひまわりでは、早口言葉をどれだけ短時間で3回繰り返せるかの練習や、発声・セリフ回しのレッスンなど、教本に沿って進むのが楽しくて毎日のように通っていました。その後、時代劇や戦隊シリーズのドラマにも出演させていただき、1997年には念願だった歌手デビューも果たしたんです。
しかし、いきなりのメジャーでのデビューだったため、もともと歌手になりたかった私は既にゴールを通過してしまった感覚でした。最終的にシングルを7枚、アルバムを2枚発売したのですが、目標を見失った状態でした。「メジャーから逆に、インディーズへシフトしたほうが」、なんて考えたりしていました。
どうしようと迷っていた時に、当時の事務所の社長が劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』の話を持ってきました。最初は「なぜミュージカル?」と思ったんですが、よく考えると、お芝居、歌、ダンスを勉強していたのでミュージカルに大切な要素が私には揃っていたんです。オーディションを受けてみると、主役の1人である娘役に大抜擢されました。しかも2年間のロングラン公演。そこから劇団四季のオリジナル公演も含めて7年間お世話になりました。
役の大小は関係ない 1つでも欠けたらダメ
劇団四季に入ってから、先輩たちにいろいろなことを学びました。 初めての大舞台で緊張していると、ダブルキャスト(同じ役の2交替)だった方から「役を信じて」と言われました。すぐには理解できなかったのですが、舞台稽古を積んでいるうちに、徹底して役になりきることが肝心だと気づいたんです。
1つの舞台を大きな車輪として捉えた場合、その車輪を動かすためには個々の歯車がしっかりと役割を果たさなければなりません。それぞれが大切な役割を持っている。大きい役だから素晴らしい、小さい役だから素晴らしくない、ではないんです。どれか1つでも欠けたらダメ。それからは、自分の歯車としての役割を果たすことだけに集中しようと考えたら、自然と変な緊張は消えていきました。
また、稽古場での練習は当然のこととして、日常の中で芝居のヒントを見つけることも心掛けています。劇団仲間とランチしながらも、「今の驚いた表情、あの芝居の1シーンをよく表現していなかった?」なんて。基本的に人を見るのが好きです。おもしろいですよ、人って。みんな生活の中でどこか演じています。
誰でも一度は喉を潰す 大切なのは体の軸を意識
舞台役者は、みな体幹トレーニングをしますが、それはすべて喉を守るため。長い公演だと年200回くらいはステージに立つので、誰でも一度は必ず喉を潰してしまいます。そうすると、体のあらゆる部位・筋肉を駆使して、声を出すんです。「頼むから動いて!」と、全身をガンガン叩きながら役を演じた時期もありました。
体幹というのは、自分の体の軸を意識するということです。最近はパソコンや携帯を見る生活に慣れてしまったせいか、どうしても上半身を前のめりにして生きてしまっています。しかし、下半身で大地を掴んでいるイメージをし、「誰かに支えてもらっているんじゃないか」というくらい少し後ろ寄りに立つと体の軸をしっかり意識できます。そうすると、全身の筋肉をスムーズに使うことができるようになります。声も喉だけではなく、お腹の底から出るようになりますし、姿勢が美しくなることで、見た目の印象もガラッと変わるんです。
舞台役者にとって、体は資本。四六時中、体のことばかり考えています。そこにおいてJWティーがもたらしてくれたものは大きいです。毎日飲んでいます。舞台の日々が続いて、疲れたなと思っても、生茶葉を飲むとスッキリするんです。稽古場にもJWティー入りの水筒を持っていきます。ここしばらくカゼをひいてない。JWティーのおかげかもしれません(笑)。飲んだ時にクセがなく、「これが本当にハーブティー?」と思いました。姪っ子にも飲ませていますが、本当によく飲みますね。
1976年、東京都生まれ。1981年にオーディションを経て劇団ひまわり入団。子役時代からテレビドラマや映画などに出演。
1997年、「Give it up」でエイベックス(VOCALAND)からデビュー。7枚のシングル、2枚のアルバムをリリース。
2002年、劇団四季入団。『マンマ・ミーア!』『赤毛のアン』『ふたりのロッテ』で主演をつとめたのをはじめ、数多くのミュージカル作品に出演。
2009年に退団し、イギリスに渡る。2010年秋に帰国後、2011年から日本での芸能活動を本格的に再開。2013年に高視聴率を記録したドラマ『半沢直樹』にも出演した。