暮らしの医学 健康辞典

第7回

食を正そう①

前号まで、「病気を呼び込むライフスタイル」についてお話してきました。今号からは、ライフスタイル革新の要である“食”についてお話させていただきます。

健康を維持するための二者択一

現代社会を健康に生き抜くためには、次の二者択一を迫られます。
1つは、健康に悪いものをすべて排除するために、文明をほとんど捨てた生活に戻ることです。米国が最善の食と結論づけた江戸時代の元禄期のように、または現代文明を拒否して主に農業を営むアーミッシュのように生活するという選択肢をとるか。
もう1つは、現代の食事をとることで、やむなくダメージを受け続けながら、受けた損傷を相殺する方法を取り入れるという選択肢です。これまでお話させていただいたように、残念ながら、現代医学では何1つ相殺できないことはすでにお分かりいただけたことと思いますので、他の対処方法が必要になります。私は、その日々の生活で要となるものは「食」だと思っています。

「食べる」とは、空腹感が湧き上がり、見た目や香りで美味しそうという感覚が食へと誘います。最近は不食や断食が表に出てきましたので尊重しつつ、これは人に与えられた機能なのでないがしろにしたくないです。

食べ物が消化吸収されて、栄養素が体内のすみずみへ運ばれて行きます。そして、あるものはエネルギー源になり、またあるものは新陳代謝を繰り返す細胞の材料になります。その細胞とは、筋肉であり、皮膚や粘膜であり、骨であり、各臓器であり、血液成分であり、代謝の要の酵素であり、種々の伝達物質(神経ペプチドやホルモンなど)であり、ありとあらゆる体を構成する物質の材料となるわけです。
まずは、その材料の質が悪ければ、できあがる人体の質も悪くなるのは当然の成り行きです。日々、小さな損傷と修復が営まれますが、質が悪いと損傷が修復を上回ることも多いでしょう。健常人でもガン細胞は1日で5000個も発生していると言われていますが、ガンになる人とならない人がいるのは、損傷と修復のバランスが違うからでしょう。最初は症状として現れない程度の不具合が、積もり積もって表面化すると症状になり、さらに蓄積すれば病気と認知されるのです。

質の悪い食材は体に余計な負担をかける

質の悪い食材とは栄養素にも乏しく、食べても身になる量も減っています。また、農薬にまみれていたり、人工添加物も多く含まれていたりします。それらの量が増えれば本来の生命活動に加えて、不要な化学物質の処理作業も増えてしまい、結果として体は余計な仕事をさせられてしまいます。
これを例えますと、事務職員が伝票整理をしているところへ、コピー取ってとか、お茶入れてなどの余計な仕事をさせられて本業がおろそかになるようなものです。

あと、コンビニで健康に良いと思ってカットサラダを買う方も多いでしょう。自宅で食べるサラダは食事が終わる頃には萎びてしまうのに、なぜカットしたサラダがいつ までもシャキシャキなのか疑問に思いませんか? 野菜に水分を含ませた後に、切り口から水分が抜けないように何かがコーティングされていると考えるのが妥当ではないでしょうか。
このようなことを指摘すればきりがありませんが、体に不要なものも、塵も積もれば山となります。体には為すべきことだけを円滑にさせてあげる、そういう心掛けをしましょう。

脳神経外科専門医 田中 佳 先生(たなか よしみ)

1960年、東京都生まれ。
1985年に東海大学医学部を卒業後、同大学附属病院脳神経外科助手を経て市中病院にて急性期医療に長年携わる。
日本脳神経外科科学会認定専門医として、脳神経外科診療を行いつつ、予防医学の教育講演活動に取り組む。

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